現代企業のオフィスの最重要課題:コミュニケーションのオン・オフ

皆様は、会社で仕事をしていて、このようなことはありませんでしょうか?
「話さなきゃいけない、話したい人がいるのに、席の配置のちょっとした距離感で全然話せずに一日が終わった」
「もっと頻繁に話して情報交換や仕事の精度を高めたい人がいるのに、その隣の席の人がものすごく苦手な人だから呼び止めることもできず一日が終わっていった・・」
「この人と話すことはとっくに終わり、自分はスイッチを変えて作業をしなきゃいけないのに、隣の席に座っているばっかりに、無駄な話に花が咲き、なかなか話が終わってくれない」

このように、コミュニケーションには、席の配置やオフィスのつくりという外的要因で簡単にオンになったりオフになったりする側面が多分にあります。
オフィスの配置で、本来コミュニケーションを取らなければならないコミュニケーションが取られていないとしたら、非常にもったいないですよね。
それどころか、そのコミュニケーションの内容によっては、会社の大きな発展を阻害するほどの大きいコミュニケーション不全になるかもしれません。そのようなコミュニケーション不全は、オフィスの配置や使い方でどのように防げるのでしょうか?

この記事では、そういったことを考察していきたいと思います。

レイアウトで解決するコミュニケーションの問題

例えば、レイアウトを少し変えるだけで、このようなコミュニケーション不全を解消する方法がいくつかあります。
そちらの例を挙げていきましょう。

1.プリンタ・複合機の位置を敢えて遠くする

例えば、印刷物を取りに行く・コピーファクスをしにいく複合機を敢えてみんなが歩いていかなければいけないくらい遠くする、という方法があります。
この方法では、印刷物を待っている間やコピーをとっている間などに、社員同士の会話が生まれて、良いといわれています。また、社内で歩き回る癖がついたら、他部署の社員とも話すきっかけができる可能性も出てきます。

2.給茶機やコーヒーをつくるところ・冷蔵庫をあえて遠くにする

給茶機やコーヒーメーカー・冷蔵庫などか集まっているところを敢えてオフィスの1か所にまとめる、という方法もあります。
飲み物をとりに行くときに、同じところに行かないといけなくなるので、そこでコミュニケーションが生まれます。小規模企業の会社様だと、社長が同じところでお茶をつくっていたりして、社員とコミュニケーションをとれたりするケースの多くあり、風通しのよい職場づくりに一役買っているケースもございます。

3.カフェスペースをつくる 人が話し出す環境づくりの大切さ

一般的に「人はお互いに立ち止まって40秒でしゃべり出す」と言われています。
このような飲み物を作るところで少し立ち止まると、会話が生まれて空気が流れだします。
家具や文房具を取り扱っているPLUSというメーカーでは、「5 TSUBO CAFE」というカフェ空間をリースしています。
「いい仕事は、いい雑談から」というコピーで展開しており、非常に人気のあるサービスになっています。
それはどに現代のオフィスに求められるコミュニケーションの質、というものは上がっている、ということができるでしょう。

参照

4.「集中できること」には大きな価値がある

また、コミュニケーションをオフにする、ということが、協調性を重視する我が国では非常に軽視されてきました。
これからの高度な知的労働社会では「コミュニケーションを閉じて集中する、集中しきることができる」空間が非常に貴重になっています。
「シンクラボ」という、会話禁止で完全に閉じたワーキングスペースのサービスを提供している眼鏡メーカーのJINSは、「集中ができる空間」のコンサルティングを企業に積極的に行なっております。

これからの経営課題をオフィスのデザインで解決する

「働き方改革」という言葉が聞かれるようになってから、もうはや何年か経つようになりました。
「生産性の向上」「離職率の低下」「社員エンゲージメントの向上」「世代間ギャップの解消」
「多様性をそのまま認めること」
と、現代日本の企業に求められている課題は非常に多いと言わざるを得ません。

こういった問題の解消法はたくさんありますが、「オフィスのデザイン・レイアウト」で解決できることも少なくはありません。
前回の記事で御紹介した「ABW」のような働き方の感覚は、今多くの企業で尊重されてきております。
現代のビジネスマンは、第三次産業・情報産業化したこのビジネスシーンで、大量の情報を迅速に処理する能力が求められているのと同時に、「そのような情報を取捨選択し整理、価値のあるものに解釈する」ことがより求められるようになりました。
そういった中で、「コミュニケーションを遮断して集中できる空間」も、「家のようにリラックスしてアイデアを膨らませる空間」も、「人間同士の生のコミュニケーションを濃く円滑に行う空間」も、全部必要です。

同じオフィスの中で、そのような3つの意味を持った空間を全て用意し、それを働く側がその業務の用途に応じて使い分ける。そのような時代がもう来ています。

レイアウトで解決するコミュニケーションの問題

そういった時代に、オフィスの移転・開設時にはどう考えていけばよいのでしょうか?現代の働き方に合った空間をきちんとデザインしていく必要があります。単純に「面積」と「席数」をカウントして、それを島型に配置して終わり、という時代ではなくなっています。オフィス移転やレイアウト変更をお考えになるときには、必ずこの、「働き方」に関する時代の変化を的確に察知し、時代の要請に答えるノウハウを十分に持ったオフィス移転業者をお選びください。

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