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オフィスの原状回復工事の注意点 安く済ませるコツは?
オフィスの移転・退去をするにあたって、必ず押さえておかなければならない知識が、「原状回復工事」の知識になります。
原状回復工事のことを知っておかないと、オフィス移転の費用のことも見えてこないので、移転予算を策定するのも困難になります。
この記事では、オフィスの移転をする上での必須知識である原状回復工事についての概論を解説し、原状回復工事を安くかつ適正な費用で行うためのコツをお教えします。
原状回復とは?
原状回復とは、文字通り「原状に回復すること」つまり「元の状態に回復すること」です。
店舗やオフィスを借りた借主が、費用をかけて、借りる前の元の状態に借りた物件を回復することを、「原状回復」といいます。
住宅を明け渡すとき、原状回復したことがない!
このようなことを聞きますと、「住宅では、故意過失で作った大きな傷でもなければ、原状回復は大家さんの負担だった」と思われる方も多いのではないでしょうか。
住宅では、原状回復をせずに退去をすることができましたが、オフィスや店舗は100%借主負担で原状回復をしなければなりません。
何故、借主が全て負担するのか?オフィスや店舗にとって立地は宝
オフィスや店舗にとって、立地はビジネスの成功を左右する大きなファクターになります。
ですので、借主に対する、オフィスビルや商業ビルのオーナーの立場が強くなります。そのような力関係を反映したのが、この「借主100%原状回復費用負担」の契約慣習であるといえます。
原状回復費用は施工費用とほぼ同じ
それでは、100%借主が負担しないといけない原状回復費用はいったいどれくらいかかるのでしょうか?
一般的なオフィス移転業界の常識ですと、原状回復費用の目安は、オフィス移転時にかかったB工事の金額とほぼ同額程度かかるといわれています。
※入居時のB工事費用が不明な場合、坪単価で目安にする場合もあります。
それだけの大きなお金が、オフィスの移転そのものの費用としてのしかかってくることになります。
ですので、「原状回復費用をいかに適正な額に済ますか」ということも、オフィス移転を満足のいくものにするための必須条件であるといえるでしょう。
適正な価格で原状回復工事をするための注意点
それでは、適正な価格でオフィスの原状回復工事をするための注意点やポイントは何なのでしょうか?
まとめていきたいと思います。
ポイント1.工事の範囲を減らす
当たり前のようですが、意外と見落としがちなところです。
原状回復をしなければならなくなる範囲を、オフィスの施工のときから少なくしておけば、当然原状回復する範囲も狭くなり、原状回復費用も少なくなります。
あるものは使うという発想
例えば、大きく御社のコンセプトと外れないような内装の造作などの場合は、無理に変えてしまうのではなく、それをそのまま使い活用するというのも、良いアイデアであると思います。そのまま流用すれば、その箇所に原状回復の必要がなくなってきます。
ポイント2.どの項目がB工事とC工事の区分なのかを把握する
前回の記事でも述べたように、オフィス移転工事には、ビル側が工事業者を指定する「B工事」と、借主の会社が使う業者が行う工事である「C工事」があります。オフィス移転担当者が、どの部分がB工事で、どの部分がC工事であるかを把握することが大切になってきます。
B工事の範囲が増えれば増えるほど高くなる
B工事の費用は、ビル側が恣意的に決められるため、高額になりがちなのは以前の記事で述べた通りです。そのB工事の原状回復の箇所が増えれば増えるほど高額になってきますので、B工事の区分をなるべくいじらないのは基本になってきます。
ポイント3.B工事を適正な価格にする
それでは、B工事を適正な価格でやる方法はあるのでしょうか。B工事の費用の適正感はどういった観点で発見すればいいのでしょうか?
B工事の価格感を把握するのは難しい
B工事の価格感を把握するのは、難しいです。なぜなら、一つ一つの工事項目に専門的な単価価格が絡んでくるので、担当者様ではコストを把握するのが難しいです。
難しい価格交渉はオフィス移転の専門業者に任せたほうがいい
B工事を適正にするためには、内装や什器に関する十分な取引情報が必要です。十分な取引情報を把握した上で、B工事区分の原状回復工事を適正な費用にする知恵と経験を持っている、オフィスの移転の業者に任せてしまうのが一番です。
適正な価格で原状回復工事ができる具体例
それでは、適正な価格で原状回復工事ができる具体例を御紹介いたします。
例1.間仕切(パーティション)の事前撤去
御社の働き方や機能に応じて、スペースに間仕切(パーティション)をする工事は、どちらの会社様でも必須の工事といえると思います。ただ、全ての間仕切(パーティション)を造作で作る必要があるのでしょうか。
造作で作る壁や間仕切りを最低限に、あるいはなくしてしまって、「置き型」の間仕切りを使ってみるのはいかがでしょうか。置き型の間仕切りであれば、原状回復は必要ないし、次に移転するオフィスにも持っていくことが出来て非常に経済的です。
例2.サウンドマスキング装置を設置する
サウンドマスキング装置とは、空調の音をちょっと強くしたような音を流すことによって、間仕切りがなくても、スペースのゾーニングが可能な装置になります。有名なメーカーはコクヨです。この装置も、次のオフィスにも持っていくこともできるし、原状回復工事も必要ありません。
原状回復工事のことも考えてコンサルティングしてくれる業者を選ぼう
このように、工夫次第で原状回復工事の費用を減らすことは可能になります。このような工夫の発想を持っているオフィス移転業者が選べるかどうかが、オフィス移転を適正な価格で成功させる秘訣になります。
ミライズワークスでは、「原状回復コンサルティング」を行っています。原状回復がどのようになるのかも含めて施工時にコンサルティングをさせていただきますので、無駄な原状回復をすることなく、スマートに次の移転時に動いていただくことが可能です。
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