フリーアドレス化により起こる「人探し問題」解決方法とは?

近年新しい働き方対策として「フリーアドレス」が注目を浴びています。
フリーアドレスとは「従来のような固定の座席を持つのではなく、社員一人一人が就業体制に合わせて自由に好きな席を選択する働き方のこと」を指します。

フリーアドレスの導入は、
・働き方に応じた席数を用意できるので、省スペースにつながる
・主体的な労働体制を生む
・社員同士のコミュニケーションの活発化
など、企業にとって大きなメリットがあります。

フリアド化に潜む弊害も…

しかしその一方で、フリアド化(フリーアドレス化のことを指します)することによる大きな弊害として「どこに誰が座っているのかわからず、管理や把握に時間がかかりすぎる」という問題が生じることがあります。
生産性を向上させるためにせっかくフリーアドレスを導入したのに、人探しに時間がかかる状況は大きな時間の損失です。この、「フリアド化が生む人探し問題」を解決するにはどのような方法があるのでしょうか?この記事ではフリアド化による人探し問題への対策方法をお伝えしていきます。

人探し問題解決のためのアプローチ

この問題を解決するための手段として、まずは運用面での対処法をみていきましょう。 

具体的には、
①島や柱番号を明記し、ホワイドボードなどで個々の居場所を管理する
②座っている場所に旗を置いてほかの場所からも把握できるようにする
③チームアドレスやグループアドレスの導入を行う
という方法です。

①や②の環境整備はオフィスの規模が大きくない場合は簡単かつ有効な方法

しかしいちいち記入をしたり、声をかけに行ったりと手間がかかる上に、「相手の状況(集中しているのか否かや、今後の予定)が読み取れず相談しづらい」という不都合な面は解消しきれません。せっかくフリアド化したのに、逆に手間がかかってしまうようでは生産性が下がり本末転倒です。

③のチームアドレスやグループアドレスの導入

③のチームアドレスやグループアドレスの導入は、「フリアド化したオフィスの一部を特定
のグループで使うようゾーニングすること」を意味します。
具体的には、業務内容に応じてチームやグループで特定の場所を割り当て、定められたゾーンあの中から自席を選ぶ方法です。

【実際に行っている企業例】
コクヨのエコライブオフィス品川ではこの方法をとっています。モノづくりの現場など、チームで話し合いが必須の業務内容の際には、チームアドレスは一つの有効な手段といえるでしょう。しかし、そうでない部署や業務内容ではチームアドレス方式を取り入れることは必ずしもベストな方法とはいえません。グループやチームが固まって座るのでは、フリーアドレスのメリットであるコミュニケーションの活発化を生むことができず、導入以前と変わりがない状況に戻ってしまうからです。

フリアド化の利点を活かしつつ、この「人探し問題」を解決する1つの有効な方法として、ITツールやアプリの利用があります。ツールやアプリの導入によりどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。

管理ツールやアプリを導入することのメリットとは?

ツールやアプリを導入すると、一人一人の座る場所をシステムが自動で管理してくれるため、ウェブ上で相手がどこにいるかを簡単に探すことができます。システム導入によるメリットは人探し問題の解決だけではなく、以下のような問題までも解決してくれます。 

①相手の状態の把握が簡単
②席の固定化などフリアドのマンネリ化を防ぐ
③目的に応じた座席の選択が可能になる

一つずつご説明していきましょう。

①相手の状態の把握が簡単

多くのツールには、相手の状況(例―集中しているか否か、外勤中か在宅勤務か)といったことや、予定を管理する機能が備わっています。ウェブ上で相手の状態を簡単に確認することができるので、相談を持ちかけるときや、ミーティングを開きたいときには大変便利です。

②席の固定化など、マンネリ化を防ぐ

活発なコミュニケーションを生むためにフリアドを導入したのに、気づけば同じようなメンバーと毎日同じ席に座る…。フリアド化では時としてこのような問題が生じます。これでは、せっかくのフリーアドレスのメリットを生かし切れていません。これらのツールには、オプションとして席を抽選で決める機能が備わっているものがあります。システムが個々の業務内容に応じて抽選をしてくれるため場所取りに労力をさく必要がなく、自分でどの席に座るかを決めなくてもよいという利点があります。

③目的に応じた座席の選択が可能になる

その日の業務内容に適した席を選択することは、生産性の向上には欠かせないポイントです。一人で集中してこなすタスクなのか、グループで協力し、話し合いながら進めるタスクなのかで席選びの基準はまったく異なってきます。
これらITツールの多くは、目的別に座席を設定することが可能です。チームアドレスの様にチームで業務を進めないといけないときにはゾーンを固定することもできます。
個人でもチームでも、その日の業務内容にあった席を選択できるので、より集中してタスクに取り組み、業績拡大に繋がります。

フリアド化におすすめのツールやアプリにはどんなものがある?

フリアド化におすすめのツールやアプリをご紹介していきましょう。どのツールも、相手がどこにいるかを表示したり検索したりする基本的な機能が備わっています。

ITツール EXOffice for Microsoft teams

EXOffice Microsoft teamsでは、会議室の予約、在籍管理やトイレの混雑状況に至るまでを一つのプラットフォームで確認できます。相手の周辺状況も確認できる上に、チャットサービスや電話も使用できるため、コミュニケーション手段の選択にも困りません。入退室管理やオフィス診断を一枚のカードで把握できる優れたシステムです。

アプリ Suwary

Suwaryでは、アプリを通じての空席状況の紹介や予約が可能です。空席探しに時間を割かなくてもよく、時間になったらスマホに通知が来るので、スマホを持って机に移動するだけでチェックインができます。終了時間も同様にスマホに通知がくるので、手軽に退席できます。様々なワークシーンに合わせて席を設定できる上に、会議室の予約などにも利用できます。

らくーざ

らくーざは、アプリがランダムに座る席を抽選してくれるので、自分で席を選ぶ必要がありません。せっかくフリアド化したのに席が固定化しやすい傾向のオフィスでは、抽選機能を使えば簡単に席を入れ替えられ、マンネリ化を防げます。また、個人だけではなく複数人で着席するグループ抽選も設定でき、その日の業務に応じてフレキシブルに選べます。現在の状態を全体にメッセージで送信する機能やその日の気分を表す機能もあり、グループワークを行う時に便利です。

これらのツールはそれぞれの特質があることを注意

会社の実態やニーズに合ったものを選ぶことが重要です。また、フリーアドレスを導入する際は、ITツールの選択のみならず社員に運用ルールの徹底を図ったり、働き方に応じた最適なレイアウトを設定したりすることもとても大切です。

以前は、オフィス空間を演出することで働き方に変化を生み出し、生産性を上げるという考え方は一般的ではありませんでした。しかしこれまでご紹介してきたように、オフィス空間をイノベートし、ITツールを効果的に運用することは職場を活性化させ、企業の業績にも変化を生み出します。

多様な働き方をご提案

ミライズワークスでは、フリーアドレスの導入やオフィス移転・空間デザインの設計に関して、これまで数多くの実績があります。

プロのノウハウから企業様にとって最適な案をご提供していますので、「フリアド化に興味があっても、具体的にどのように変えていけばよいかわからない…」という方は、ぜひ一度弊社までお問い合わせください。

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