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細部に宿る内装の「見栄え」巾木の世界
「デザインの神は細部に宿る」
「God is in the detail.(神は細部に宿る)」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
ドイツの有名なモダニズム建築家ミース・ファンデル・ローエが標語として使用した言葉で、デザイン業界の一種の名言として広まっている言葉です。
建築や内装分野に携わるものとして、この言葉の意味を頻繁に痛感する機会があります。
建物や部屋の仕上がりを見ているときにそこはかとなく感じる違和感。
その要因が、思わぬ小さな部位や部品よるものだったということは、決して少なく有りません。
巾木は部屋のなんなのさ
皆さん、一度いまいる部屋を見渡してみて下さい。
天井。壁。床。家具。部屋を構成するうちの壁と床の間に、板のような見切りがあるかと思います。それが巾木(幅木・脛木)です。
意識しないと気づかないような、あまりにも雰囲気に溶け込んだ部材。
巾木とは、一体何なのでしょうか。
実は、ただの飾りではなくしっかりした役割があり、デザインに関しても大きな影響力を持っています。
巾木は壁のバリア
壁面で一番負担のかかる部分はどこなのでしょうか。
実は「床との境目」なのです。
皆さん、靴や足が壁にあたったことはありますか?
先の長い革靴であったり、お子様が走り回っていてぶつかったり。
巾木はこうした部分を保護する役割があります。
巾木は壁の緩衝材
壁面と床の間に、僅かな隙間があるのはご存知でしょうか。
多少の「遊び」をこの隙間に持たせることで、工事の施工性が向上します。
実際こうした「取り合い」と呼ばれる部分には、いわゆる「遊び」を敢えて作っている箇所があります。
巾木は「遊び」を塞ぎ、なおかつ緩衝材として壁と床の間を取り持っている仲介役のような存在です。
「無駄なものは何一つない」とよく言いますが、巾木はその最たる例ではないでしょうか。
巾木の質感
巾木には色々な種類があります。質感や用途によって使い分け、その空間に最適な役割を果たしています。
木巾木
本物の木を使用した巾木や、住宅建材メーカーが既製品として販売しているものもあります。
壁面に凹凸ができ、上質な印象を与えます。また木目によっては、優しいイメージに仕上げることができます。
ビニル製巾木
近年登場した巾木です。
低コストで耐久性・施工性に優れるため、オフィスなどで活用が多いです。
凹凸が少ないため壁面はのっぺりした印象になります。またこうしたモノは薄いので、下部にRを付け床面との境目を保護しているものも主流です。
他にも工場や厨房などで使われる金属製のものなど、種類は豊富です。
巾木とデザイン
薄い色の床材と薄い色の壁紙。空間全体が、なんだかぼんやりした印象。
なんかデザインが締らない、そんなときにふと、巾木の色を黒やグレーや茶などの濃い色にしてみます。
すると、あら不思議。
なんだかぼんやりした空間が、明と暗のはっきり分かれた空間に変わります。
塩ビのソフト巾木を木巾木に変えてみる。彫り込みなど、造作が入ったものにしてみる。
お金がかかりますが、空間グレードの位はグッと向上します。
細かいディティールに拘ること
日々生活していて、「上質な空間だ!」と感じることは少なくないと思います。
その要因は、案外細かい部分のディティールの集大成なのかもしれません。
弊社では、そういった「細部にわたるディティールの集大成」的なデザインを御提案させていただきたいと思います。
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