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テレワークを始めてみて
失敗から「ルール作り・運用の大切さ」に気付く
テレワークを始められた会社さんにお伺いしていて、失敗例として一番よく聞くのは、「最初に定義や運用についてルール決めをしなかったので、社員によって取り組みにバラつきが出てうまくいかなかった」という声です。
例えば、勤務時間をある程度統一して、仕事開始時や仕事終了時のあいさつなどをするなど、最低限のルールを決めておかないと、「前日夜遅くまで飲み過ぎたから」とか「寝坊したから」みたいな理由で、勤務開始を自主的に遅らせてしまい、チームでの動きが全くとれない、といった例もよくあるようです。
どんな職種であれ、全くの一人で完結して動く仕事はほぼありません、個人の自主的な動きを尊重しながら、同時にチームとしても機能するテレワークの運用が求められます。
テレワークを制度化し実践していく中で、一番重要な点は「自主自走できる組織の構築」です。
最低限の運用ルールを最初にしっかりと決めて、それを全員の守ってもらうことの大切さがあるのと同時に、「誰が管理・監視していなくても自分の仕事を全うするプロとしての姿勢」も同時に社員に醸成していかなければいけません。
この、規律と自由のバランスを保つための「テレワーク運用の大切さ」が現在多くの会社で認識されています。
テレワークを導入されている会社様もこれから本格導入を考えている会社様も、まずは「ルール作り、運用方法」の社内統一から手掛けられると良いと思います。
テレワークの運用で機能をしている例
・毎朝10:30に全員がzoomに参加して顔を合わせる(大きな勤務時間のズレを防ぐ、生活リズムを整える)
・毎夕方17:00に全員がzoomに参加して顔を合わせる(大きな勤務時間のズレを防ぐ)
・チャットで、「構築相談所」とか「技術相談所」というような、日々の業務で悩んだ時に相談できる専用の部屋を作り、業務のことを何でも聞けるようにしておく。
(記録に残って会社のナレッジ化するし、社内で声をかけるのが苦手な社員にはより良い機会になる)
・孤独感を補完するためのチームや仲良しの3~4人単位で何でも話せる雑談チャットを設置する(敢えて経営陣や上席は入れない)など
テレワークで明るみになった、「チャット依存」の怖さ
ChatworkやSlackなど、オンラインのチャットツールで社内や社外のコミュニケーション方法を統一している会社様も多いですが、近頃、テレワークの急速な普及により、顔を合わせず、オンライン通話も使わず文字チャットだけで仕事を進める方も増えてきております。
しかし、チャットだけのやり取りで、対面やオンライン通話のフォローがない場合、「発する側と受け取る側」で大きなコミュニケーションの齟齬が起き、トラブルが発生することも多くなっています。
例えば、「納期にこれだけの仕事をやってほしかった」発注側と、「納期にする仕事を言葉通りに受け取ってしまった」受注側で、完成品のイメージに大きな違いが生じ、もめるケースが少なくありません。対面やオンラインで話をすれば、細かいニュアンスまで汲み取れるのですが、文字のチャットだと、1つの言葉足らずで依頼の内容が全く変わってしまうケースも多いです。
テレワークになったら尚更、チャットでコミュニケーションを完結せずに「両者で細かいニュアンスを口頭でつめていく」という姿勢がより重要になってきます。
オンラインミーティングに向かない打ち合わせがあることを理解する
また、オンラインミーティングにも「超えられない壁」が存在します。
単純情報の流通以上に、ハイコンテクストな情報、複雑な情報をやりとりするときは、やはり実際に会って話をしたほうが、伝わる情報の量が違います。
例えば、怒りや焦り、悲しみなど感情的な部分を伝えるにはオンラインは向きません。事態の深刻さ、真剣味を伝えるのにはやはり、「フェイス・トゥ・フェイス」のコミュニケーションが重要になってきます。
また、一度に流通する情報が多ければ、それだけコミュニケーションの時間も短く、回数も少なくなります。チャットだけでやりとりをしていると3日かかることが、会って話すと15分で終わることなどザラにあります。
「敢えて」オフィスに行くことの価値を考察する
それでは、ツールの運用や社内ルールの運用でテレワークでも出社時と遜色ないパフォーマンスが出せたとして、それでもオフィスにしかない価値、オフィスに行く価値とは何なのでしょうか?
ミライズワークスでは、オフィスに集まることで生まれる価値は、低いコミュニケーションコストで気軽に簡単に短時間でノウハウやアイデアが広がっていくことにある、と考えています。
1.社内のためのアウトプットの場としてのオフィスの価値
テレワークだと、個々の社員の発想やアイデアが、よっぽど積極的な発信者ではなければ会社に共有されることが難しくなってしまいます。気軽にその個人の情報・ノウハウを社内財産としてアウトプットできる場所としてオフィスが機能すれば、会社にとってノウハウの共有という面で大きなメリットを持ちます。
また、発信者にとってもタイムリーに気軽にフィードバックを受けられ、成長ができる環境が得られる、という点でもオフィスは価値を持ちます。
2.若手と経営陣の交流、トップダウンからの脱却
今の20代の情報収集力はSNSなどでネットワーク化していて、非常に先進性に長けています。
業界にとっての改革のヒントなど、今は若手が情報を一番持っていることもあります。
上司よりも、ひょっとすると社長より価値ある情報を持っているということも往々にしてある時代です。
そういう状況を踏まえて、若手の新しいやり方を推奨したり、あるいはチーム内で取り入れたりという具合に、出社してオフィスで多くの情報を流通させることにより、トップダウンの体制から脱却していくことが見込まれます。
ミライズワークスでの「テレワーク時代のオフィスの価値」提案例
ミライズワークスでは、上記のような考え方をベースに、テレワークが主流になっていく時代のオフィスの提案を行なっています。
テレワークが自由にできる環境で、「どこで業務しても良いが、オフィスで業務をしよう」
「仕事に行き詰ったときはオフィスにいくと、仕事がはかどる」
そのように感じてもらえるような空間の提案をしています。これから弊社の1つの提案例を見てまいります。
「リモートワークで顔を合わせない時間が多い」という問題点に対する提案例
【解決策】
物理的な距離を敢えて縮めて、縮小された(濃縮された)空間の中にもそれぞれの役割を果たすエリア分けをしっかりとすることで、効率化を図る提案をいたしました。
具体的なエリアの分け方は以下です。
(エリア分けのイメージ)
①短時間集中エリアを中心に、それぞれのエリアへ動いて作業
②会話が活発に行われる仕掛けを凝らした、コミュニケーションが高いエリア
③こもって仕事をする集中エリア(自習室のようなイメージ)
④1on1エリア(プライベートの話もしやすいようにワークスペースと離れた場所に配置)
⑤健康エリア+リラックスエリアを設ける
集中エリアをしっかりと設けることで、過集中が求められる作業も自宅でやるよりも集中して行なうことができるように設計しております。
【コンセプト】
ミライズワークスでは、この提案のコンセプトとして、「帰属意識を感じられ、落ち着き、帰ってきたような感覚になるような場所としてのオフィス」として進めていきました。
オフィス空間に家のような役割を与えることで、オフィスに帰ればホッとし、スタッフ同士の距離感が家族のように縮まることを企図して、社員さん同士が顔を合わせられるように提案をしました。
話すときは健康エリア+リラックスエリアで、集中する作業は集中ブースで、お客様が来られたらゲストルームへ、スタッフ同士の打ち合わせはファミリールームで行ないます。
メリハリのあるコミュニケーションと時間の使い方をしてもらえるオフィスで、「自宅でテレワークをやるより社員にとって得で、社員が会社の良いとこ取りができて出社のメリットを感じることができるオフィス」が、これからのテレワーク時代にふさわしいオフィスであると、ミライズワークスでは考えています。
まとめ
テレワークよりも快適に働ける空間をこれからもプロデュースする
政府が出した「新しい生活様式」の中に「テレワークを行なう」が入っているように、新型コロナウイルスが終息した後も、テレワークが主流になる世の中が到来する可能性が高いです。
そういった中でも、社内のノウハウの共有や、社内文化の醸成のためには、社員同士が一か所に集まる時間もがまだまだ必要だと、ミライズワークスでは考えています。テレワークをするよりも快適に、生産性高く、社員の成長や幸福感に寄り添う場所としてのオフィスを、今後も提案してまいります。
オフィスのことならプロにおまかせ!なんでもご相談ください!
ミライズワークスでは、上記以外のオフィス移転とレイアウト変更に関するノウハウを多数掲載しています。
働き方改革や生産性向上のために、快適な空間へとつながる最適なプランをご提案します。