1.物を減らす

オフィスに限らず、整理整頓術の基本は、「①分ける」「②減らす」「③納める」の3ステップです。このうち、①分けることと③納めることに関してはそこまで抵抗なく実行できる方が多いようです。収納スペースがあると、あれこれ入れてみたくなってしまう、といった感覚は多くの方が抱いたこともあるのではないでしょうか。

意外と大変なのが、2つ目のステップの「②減らす」ことです。実生活でも、物を処分することにはちょっとした抵抗感があったりもします。思い出の大小に関わらず、ちょっとでも思い入れのあるものは、たとえ今後不要になると分かっていても、多くの人はなかなか捨てづらいものです。

オフィスを見回してみても、過去に苦労したプロジェクトの結果や、得意先から頂いた資料や書類など日々の業務には関係ないはずなのに、手放すのが難しいものもあることでしょう。

無理に捨てることはないのですが、今では「デジタル化」という方法があります。どうしても手放したくないものでも、紙媒体であればスキャンしパソコンでPDFデータにまとめファイル化することができます。形のあるものでも必要に応じて、情報の整理をする意味でもデータにしてみてはいかがでしょうか。

現代においては、データであっても紙の書類であっても、後からの検索に耐える整理・分類と処分方法が重要になってきます。

収納の達人と言われる方の中には、「1ヶ月使わなかったものはもう必要ない。捨てよう。」といった判断基準を提唱される方もいらっしゃいます。しかし、多くの社会人にとっては1ヶ月というのは短すぎるかもしれません。
本来、期間設定は自由でいいと思いますが、あえて基準を設けるのであれば、「プロジェクトの長さ」を提案します。1プロジェクトもしくは2プロジェクトにかかる期間を基準にして、その間での使用の有無で処分を決めてみてはいかがでしょうか。

2.キャビネットの導入

「②減らす」ことができたら、次は「③納める」ステップです。
オフィス什器は各社から様々なアイテムが販売されていますが、収納のベースとして考えるなら「キャビネット」がおすすめです。

オープンタイプの収納キャビネット、観音開き収納キャビネット、3枚引き戸の引違いタイプ収納キャビネットとこちらも種類が豊富なのですが、これは収納保管する書類のタイプ、来客の頻度に応じて選択しましょう。

来客がほぼなく、固定メンバーでオフィスが運営されているのであれば、扉のないオープンキャビネットは都度の開け閉めが必要ないのでサッと使え、片づけの手間もいりません。
来客があり、防犯上と見かけ上目隠しの必要がある場合には、扉のあるタイプがおすすめです。とっさの来客の際に机上のファイルなどをパッとキャビネット内に戻すこともできます。

扉付きのキャビネットの中でもおすすめなのは、3枚引き戸の引違いタイプのものです。観音開きと違い、キャビネット前のスペースを意識する必要はありませんし、棚の中央部にあるものも容易に引き出すことができます。

キャビネット内に収納した内容物は、あまり動かさないかもしれません。しかし、キャビネット内スペースこそ頻繁に使うように心がけてみることをおすすめします。出し入れの回数が多いほど、整理整頓に繋がります。

3.見せる収納

ユニット式のオフィス什器や背板のない棚などを使って、「見せる」ことを意識した収納術にもチャレンジしてみることも整理整頓の観点からはおすすめです。

自社の紹介や業績、所有ブランドを象徴するものに関しては、社内社外問わず公開するスタイルをとる企業も増えてきています。

キャビネットであれば個々のスタッフが所有するスペースを固定するのが一般的でしょうが、見せる収納スペースや共有エリアに関しても担当スタッフを決めてみましょう。
他人任せで放置ということはなくなりますし、スタッフごとの個性が表に出て、バラエティに富んだ演出効果も期待できます。

ケースにもよりけりですが、「人に見られる」というのは「キチンとしたい」という思いを引き起こすことに繋がります。プレッシャーを感じる必要はありませんが、こうした要素も関連づけることで、オフィス全体の整理のモチベーションを維持することも効果的な手段と言えます。

番外編 1.自席を楽しく演出

固定のパソコンデスクがあるオフィス、場所を選ばないアドレスフリーなどの環境を持つオフィスなど、オフィス内での働き方にもバリエーションが増えてきました。オフィス環境は働くスタッフのモチベーションや心理状態に左右されます。

自分のデスクでもアドレスフリーのデスクでも、さっぱりと使えることができれば、業務上のストレスも軽減されます。
雑多に資料などが積まれてしまっている場合には、対策として、前述の「分ける」「減らす」「納める」を意識して、業務に必要なものを選抜してデスク上に配置するようにしてみてはいかがでしょうか。
デスクにある引き出しの活用もいいですし、キャビネット内へ収納するのもまたおすすめです。

避けたほうがいいのは、きれいにするあまり、無理に何も置かないセッティングを目指してしまうことです。業務で使う資料や紙媒体がすぐに無くなることは難しいでしょうから、ある程度積まれてしまうことは織り込んで整理することをおすすめします。

改善ポイントは、「入手した書類を所定の位置に置く」ことと「業務に関係ない自分のお気に入りのグッズなどを、デスク上に配置する」ことの2点です。

デスク横にトレイやボックスを置いておいてもいいですし、立てて占有スペースを少なくして収納してもいいでしょう。常に「所定の場所」に入っていれば、デスク上は劇的にスッキリされた状態となり、探しものをする時間も短縮できます。

次にポイント2つ目のお気に入りのグッズですが、オフィスワークの場合、仕事と言っても日中はほとんど同じデスクで過ごします。視線の中に癒やしの存在があるだけで、ワクワク感が持続し業務の中にも楽しみを見出すケースが多くなることでしょう。

番外編 2.習慣化

オフィスの整理・デスクの整理は、1度やったからと言ってそれでおしまいではありません。継続的に、意識を持って整理整頓を行っていく必要があります。

昼休みの10分、業務終了後の10分などを利用して、社員に対し机周りを片づけることを促すこともおすすめです。日々の作業に影響を与えない範囲でルーチンワーク的に確立できれば、負担に感じることなく実行できることでしょう。

継続化のポイントは「手間をかけず」「短時間で」「毎日」効率よく続けることです。キャビネットの中身の整理など大がかりなものはシーズンに1回など頻度は少なくし、負担なく整理整頓ができるよう、心がけてみましょう。

漠然とした整理が苦手な方は、アイテムごとの置き場所を決めて、それを一覧などにまとめ常にその位置に収納するルールを心がけてみてはいかがでしょうか?市販の仕切り板などを使い、デスクスペースを区切ることで、ゴチャゴチャと物を入れることも難しくなります。「それしか入らない」「そこにしか入れられない」スペースを形作ることで、整理が一段とやりやすくなり、目に見えてものを探す時間も短縮します。

オフィス・デスク周りの整理で業績の向上を

割れ窓理論」という犯罪学の用語をご紹介いたします。

建物の1つの窓が割れてしまっていると、建物の管理が十分ではない、もしくは誰もいないと認識されてしまい、ゴミが捨てられひいては犯罪の温床になってしまうとされる理論です。

人の中に強烈に犯罪を起こそうという意思がなくとも、環境に影響され、軽犯罪から重大犯罪までを誘発してしまうのです。

これほどまでにオフィス環境というのは重要です。オフィス内でも、少しの乱れから日が経つにつれ書類の山と化し、何がどこにあるのかすぐに分からない状況になってしまうことがあります。
日頃から整理整頓を意識していれば、雑多な環境を解決し、クリーンな業務環境を手に入れることができるのです。しかもお金をかけず無料で対処できるのです。

オフィス内の整理整頓についてお悩みの方は、今回ご紹介した整理術をぜひ参考にしてみてください。

ミライズワークスでは、お客様のオフィスの実情にピッタリの収納什器や整理方法のご提案、サービス提供が可能です。
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