OFFICE FACILITY
消防設備(天井設備)
消防設備(天井設備)のポイント
POINT
消防設備(天井設備)は、オフィスで働く人の命を守るための役割をもった非常に重要な設備です。
消防法や建築基準法によって定められており、オフィス空間を天井まで間仕切りで仕切る場合と天井までは仕切らない場合で、消防法や建築基準法によって定められている消防設備の要・不要が変わってきます。
ここでは、消防設備(天井設備)の内容や重要性などをご説明いたします。ぜひ、ご参考になさってください。
個室に設置が義務付けられている消防設備
1つの空間ごとに感知器、非常用スピーカー、非常灯、スプリンクラー(設置が義務付けられているビルの場合)、誘導灯(必要な場合がある)が必須となり、これらの設置は消防法で義務付けられています。
まかなえる警戒範囲によって配置場所や数は異なるため、間仕切りの位置を少しずらすだけで増設が不要になるケースもあります。しかし、消防法を意識しすぎてレイアウトを決めてしまうと、使い勝手の悪いオフィス空間になるため注意が必要です。
感知器
感知器は火災の際に反応する設備で、煙を感知するタイプと熱を感知するタイプがあります。
天井まで間仕切るランマクローズで間仕切りを設置する場合は、空間ごとに一つは必要です。煙感知器は壁から600mm以上、熱感知器は壁から400mm以上離すことが基本となるため、ランマオープンの場合は基本的に不要です。
ただし、間仕切りのレイアウトによっては、必要になるケースもあるので所轄の消防署からの指示に従う必要があります。
非常用スピーカー
非常用スピーカーは、緊急時に適切な避難活動を促す目的で設置されている設備で、基準を満たさない場合は増設工事や移設工事が必要です。
お客様側で設置したスピーカーからBGMを流す場合は、非常用スピーカーと連動させてスイッチが切れるように設定する必要も出てきます。
オフィスビル側に確認して、必要な場合はカットリレー電源を接続するなどの対策が求められるので注意が必要です。
非常灯
バッテリーを内蔵しているタイプが主流で、停電時に30分以上点灯します。
室内や廊下を照らして、オフィスで働く人が安全に素早く避難できるように設置されている照明設備です。非常照明単体のタイプと通常照明と連動するタイプがあります。
誘導灯(必要な場合がある)
誘導灯とは避難口に避難するための扉や、避難経路に設置する箱型の照明設備です。
通路誘導灯と避難口誘導灯の2種類があり、前者は矢印のみ、後者は緑の人が逃げている絵が描かれています。
オフィスで間仕切りを設置し、誘導灯が死角となる場合は移設工事が必要です。また、間仕切りのドアがフルハイト(フルドア)だと開閉時に誘導灯にぶつかってしまう可能性があるので、設置場所をしっかり検討しましょう。
スプリンクラー(設置が義務付けられているビルの場合)
スプリンクラーは、火災時に自動的に水を噴出する設備です。
放射範囲は2.3mと2.6mがあり、間仕切りを設置したことにより、空間が放射範囲に入らない場合は、移設工事や増設工事が必要になりますが、配管工事や配線工事も必要になってくるので費用面で負担が大きくなってきます。
放射範囲の交わる箇所で間仕切りを設置する場合は、スプリンクラーの増設は不要です。ただし、散水障害を起こさないように、間仕切りはスプリンクラーヘッドから300mm以上離すことが義務付けられています。
間仕切り計画で注意するべき天井設備
間仕切り計画は天井設備に注意して進めることが大切です。
中には建築基準法で設置が義務付けられている設備もあります。ここでは、オフィスビルにおける天井設備の種類を一部ご紹介いたします。
点検口
点検口とは空調や設備のメンテナンスで必要な開口部のことです。
間仕切りで塞いでしまうレイアウトの場合は、新設工事や移設工事が必要になるため注意が必要です。基本的には点検口部分への間仕切り設置は避けることをおすすめ致します。
吹出口
吹出口とは温度調節や湿度調節された空気を室内に吹き出させる設備です。
間仕切りを設置する場合は、吹出口から1500mm以上離さなければなりません。
換気口
吹出口に対し、室内の空気を吸い込むための設備です。
吸込口とも言い、普通換気とロスナイ換気の2種類があります。普通換気は室内の空気を強制的に屋外や室外に排出します。ロスナイ換気とは、冷暖房の熱エネルギーを排出せずに換気のみを行います。
ただし、間仕切りで喫煙所などを作る場合、ロスナイ換気だと臭いがオフィス内に充満してしまう場合があるので注意が必要です。
人感センサー
セキュリティのセンサーです。セキュリティがかかっている状態でセンサーにかかると発報します。オフィスの入口や窓側にあることが多いです。
快適なオフィス空間に必要な設備
消防法や建築基準法等の法律で義務付けられていない場合でも、より快適なオフィス空間にするために必要なものもあります。照明設備や空調設備が代表的な例です。
照明設備
快適なオフィス環境において照明設備は非常に重要です。
円滑に業務をこなすためには、PCディスプレイや書類、従業員様同士の顔がしっかり見える環境が必要となります。
ただし、照明はオフィス全体の消費電力量に占める割合が大きいので、最適な明るさと省エネルギーという2つの観点から照明設備を選定することが大切です。
空調設備
空調設備は、快適なオフィス環境づくりには欠かせない設備です。
空調には「個別空調」と「セントラル空調」があり、前者は1台1台が個別で稼働するタイプ、後者のセントラル空調は全て連動して管理するタイプとなっています。
床置きタイプのファンコイル空調もあり、その場合は床面にメンテナンス用の網目口があることが多いので、レイアウトに注意が必要です。
消防設備(天井設備)の重要性
オフィス空間の天井には、建築基準法や消防法で居室ごとの設置が義務付けられている、感知器、非常用スピーカー、非常灯、誘導灯、スプリンクラーなど働く人の命を守るための役割をもった設備や、照明や空調など法律では設置が義務付けられていないものの働く人を快適にする役割をもった設備等さまざまです。
間仕切り計画を行う上で、注意するべき天井設備は多いです。そのため、状況に応じて的確なアドバイスをしてくれる経験と信頼のある専門の業者様に相談することをおすすめいたします。
ミライズワークスは貴社の事業とオフィス環境を理解し、それを踏まえた提案をすることが可能です。
現状を理解した上でご要望をお伺いし、貴社の目線に立ったプランを作成いたします。
また、「天井設備や消防法、建築基準法などを遵守して間仕切り計画やレイアウト、デザイン計画をしたい」や
「音楽なども含めたオフィス空間も考えたい」などの細かいご要望にも、
間仕切りやオフィスの空間づくりにおいて消防設備(天井設備)を意識しながら、
最適なレイアウト計画で、今後を見据えた中長期的なプランのご提案を行っております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
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